前川喜平の統一教会の名称変更阻止は自慢する話なんかではない

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Twitterだけならギリギリだったのに、文化庁宗務課長時代のコンプラ違反な水際作戦をしたことを自慢げに語ってる前川さん、役人としてはヤバい人だったんだなぁと改めて思います。

 

 

まず、宗教法人という組織は国や地方自治体から許可を受けて組織しているのではなく、適正なプロセスや要件を経ているかを確認だけして認証されるものです。

https://www.gyoukaku.go.jp/siryou/yusiki/dai3/si3-1-1.pdf

4)認証主義 法律の定める要件を充足していることを確認するという点で、準則
 主義に近いが、所轄庁が「認証」する行為を必要とする点が準則主義と異なる。例
 宗教法人、特定非営利活動法人

https://gyousei-j-h-office.com/page2.html

 「認証」とは、法律で定める要件を備えていることを公に確認する行為です。これによって宗教法人の伝統、独自性、自律性を尊重するとともに、宗教団体でないものが宗教法人になったり、法令に適合しない規則の作成、規則の変更、合併、任意解散の手続がなされることを防止しています。

 

宗教法人として組織内の決まり(規約)の中で正しく決定された内容、提出する書類に問題が無いものは拒否できないルールで役所は動いているのです。

 

www.bunka.go.jp

 

名称変更するには規則変更の認証申請を出すわけですが、この申請は書類の不備や宗教法人が既存の規則に則ってるものかを確認して認証する以上のことはできないのです。

 

 

したがって、一番最初の前川氏のインタビューにある「組織の実態が変わっていなければ、規則変更は認証できない」

というのは本来はウソになるわけです。前川氏も認証とは言ってるしね。

当時の統一教会側の申請書類がどれだけ適正だったかは分かりませんが、「組織の実態が変わっていなければ、規則変更は認証できない」と統一教会へ言ったのであればそれは問題です。

審査の要件にも存在しない、文化庁の権限にもない越権行為のようなの内容をもって水際対策をしていたのであれば、

生活保護の水際対策と一緒であり違法行為とされてもおかしくありません。
お役所なので、そういった対応には本来は法的根拠が必要です。

 

前川氏がそんな水際対策を誇らしげに自慢してることが恐ろしいです。お役所のコンプライアンス意識は無かったんでしょうか。まぁ90年代の省庁の遵法精神としては標準的かもしれませんが。そんな意識だから出会い系バーに行くのを「女性の貧困について実地の視察調査」なんて言っちゃうんでしょうね。

 

とはいえそんな水際対策であっても統一教会側も悪質な搾取をやってる自覚はあるだろうし、

ちょうどオウム真理教解散命令事件があったばかりの中で無理を通して文化庁を敵にして怒らせて、理由をつけて解散命令を出されるような事態にでもなったら一番困るので、宗務課の意見を尊重して一旦引き下がったとかそんなところでしょうか。

 

宗教法人の変更については有識者がいる宗教法人審議会がいますが、文化庁内のルールで拒否しない申請について宗教法人審議会にかけることもできません。

https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/shukyohojin/pdf/93565801_02.pdf

あくまで「認証」なので、宗教法人審議会は拒否する時の理由をしっかり説明する場となっています。

統一教会内のルール上で適正なプロセスで行われた規約変更等、適正な書類をもとに申請が出た場合、文化庁は拒否することは不可能です。

 

 

つまり、2015年までの約20年間、法的根拠のない名称変更を拒否する動きを維持してきたのは自民党政権民主党政権も含む)ということになる…?

なんだかめちゃくちゃな話になってきたんだけど…。

これは統一教会の政治力の弱さを証明していることにもなります。

最近の論調のような統一教会と国会議員がズブズブで政治力を行使できるレベルにあったのなら90年代の韓国等の名称変更にあわせてもっと早く名称変更の働きかけをしてたんじゃないでしょうか。

森友問題的に考えれば、政治家が動いてれば官僚はすごく忖度するわけで書類審査の「認証」でしかない統一教会の名称変更なんて簡単じゃないでしょうか。

国会議員一人が法律・規則通りの審査をしろと動けばいいだけですから。

 

それこそ仲良しだっていうなら第一次安倍政権でやればよかったね。10年早く名称変更できた。

 

 

この回答からも下村氏は統一教会の名称変更を政治的に止めていない。ということは分かる、がそれが法律遵守する上で正しい対応なのだ。

止めれる理由が存在しない変更申請を止めてないのはおかしい!と憤ってる人たちが出てきているのだが、政治家が許認可の基準に干渉したらヤバいよね…。

妨害する方向で「特別の便宜」を図っていることになり政治的に妨害干渉する逆モリカケ問題みたいな話になっちゃうんだけど…。

他の事案で基準を捻じ曲げて申請妨害なんかしたら大問題ですよ?

 

(7/27追記)

宮本徹議員が名称変更時の申請書面の一部を開示請求にて取得されたようです。

規約の変更内容も無難に名称と一部の内容変更のみであることが確認できました。書面が揃ったものを出されたら断るのは難しいだろうというのが補強されました。

解せないのは変更理由を黒塗りにしている点です。無意味に黒塗りしてます

断言していいと思いますが、変更理由には無難な内容しか書いてないです。

海外でも活動してる宗教であり、1994年以降に海外で「Family Federation for World Peace and Unification」(世界平和統一家庭連合の英語名)となっている以上、海外と名称を合わせたとかそんな内容を書けば表向きの理由はキッチリと揃えられる以上、変更理由に記載する内容は無難な内容一択です。

宮本議員も書いてますが、断られそうな理由書くわけないでしょ。

統一教会の悪名が知られたので変更します」とか書かれてると思っちゃう人は陰謀論に毒されすぎ。

この状況で無意味な疑いをかけられるほうが宗教法人の不利益になるのでさっさと開示するべきだと思います。

(追記終)

 

(8/2追記)

宮本議員が提出された規則の全文を入手したようです

 

…えーっと驚くべき内容です。

お役所の申請ってのは間違ってる内容がないよう細かくチェックするのが普通でいい加減な部分があれば指摘されて差し戻されるのが普通です。

 

新旧対照表が法的な書面ということなので、規則全文自体は補足資料としての提出なのでミスがあるからと直ちに違法な申請許可とはならないようですが、補足資料でも誤っていないか確認するのが普通だと思いますし、いい加減なものなら差し戻して修正してもらうものなので、役所側は異常な対応をしたといえるでしょう。

 

統一教会としても、名称変更用に提出した規則なのに法人名が変わってない書類を出すのはいくらなんでも変なので、出す書類を間違えたとかそんなところでしょうか…。

水際で止められて20年近く変更を止められてるんだから申請内容だけはちゃんとしなよ…。

書類ミスは起きるからこそ、役所側は受付したら確認しないといけないし、却下しないといけないので、この手続ミスは厳しい目で見られても仕方ないでしょう。

(追記終)

 

 

ネット上に散らばる話をまとめていくと、どんどん滅茶苦茶な話が散らばっていて精査していくとただの陰謀論みたいな話になってしまうようだ。実際ただの陰謀論なんでしょう。

リベラル側の意見に近い内容なら陰謀論っぽい話でも同調しだす人がたくさんいて非常に怖いなと思います。

 

正しいことをちゃんと主張して、ダメなことはダメと姿勢を示す。そういう知的な活動をした上で統一教会などの悪質な組織がなくなる世界になればいいなと思います。